イベントの記事一覧 38 件
自然史博物館の画像公開を考える:実務とシステムの両面から
第44回自然史標本データ整備事業による標本情報の発信に関する研究会
昨今、博物館には、標本資料等のデジタル・アーカイブの構築とその公開が求められるようになり、自然史系博物館においても実際にさまざまな動きが見られます。その公開や連携のありかたについては模索段階にあり、デジタル・アーカイブをなぜ・どのように構築するのか、自然史系博物館として統一した見解が必要となりつつあります。
デジタル・アーカイブは、国内の自然史系博物館だけの話ではありません。各国あるいは国際的なプロジェクトによって自然史標本資料の画像を含めたデータ公開や利活用が進んでおりますし、自然史系以外のプロジェクトも数多くあります。さまざまな分野の先駆的な試みは、自然史系博物館分野での今後の意思決定に重要な示唆を与えてくれます。
そこで、今回の研究会では、前回に引き続きデジタル・アーカイブの構築を取り上げます。前半では、2024年9月に沖縄で開催された生物多様性情報分野の国際会合(SPNCH-TDWG 2024)をはじめ、国内外の様々な分野での情勢を取り上げます。後半では、館内での実務に焦点を当て、デジタル・アーカイブの館内における活用や、サイエンスミュージアムネット(S-Net)を含めたデジタル・アーカイブの構築と公開に焦点を当てます。これらの情勢や意識を共有した上で、デジタル・アーカイブ構築の今後の方針について議論する場にしたいと思います。
...ABS国際シンポジウム「地球規模生物多様性情報機構(GBIF)と日本の遺伝資源情報」
開催のご案内
国立遺伝学研究所 ABS支援室は、2025年2月20日(木)にABS国際シンポジウム「地球規模生物多様性情報機構(GBIF)と日本の遺伝資源情報」を開催いたします。
デジタル配列情報(DSI)は遺伝資源の利用と利益配分をめぐる国際的議論の重要テーマです。COP16ではDSIに関する議論が進み、オープンサイエンスやデータ共有の意義が強調されました。本シンポジウムでは、GBIF(地球規模生物多様性情報機構)を中心に、遺伝資源情報について専門家とともに議論します。
多様化する生物多様性調査とそのデータ
21世紀の生物多様性研究ワークショップ(2024年度/通算第19回)
ワークショップの趣旨
19回目を迎える今回の21世紀の生物多様性ワークショップ(通称 GBIFワークショップ)では、生物多様性のさまざまな調査手法とそのデータ(例:トラップを利用した調査・環境DNA・市民参加型プロジェクトなど)に焦点を当てます。さまざまな新しい調査手法が実用化されていく中で、データの整理・収集の仕組みもそれに対応することが求められています。さまざまな調査手法を用いた調査研究を実施されている方にそれぞれの活動を紹介いただき、さまざまな調査データの意義や活用の可能性、データ収集における課題について議論を行う場にしたいと考えております。
...日本甲虫学会第14回大会 公開シンポジウム「甲虫研究に生物多様性情報を活用する ―データを使えば、研究がもっと面白くなる!―」
趣旨
技術の発達により,近年,甲虫の研究ではますます多くのデータが活用されるようになってきました.標本や観察のデータ件数が増加しているという量的な側面にとどまらず,インターネットで誰でも閲覧できる種名目録の公開・整備,マイクロCTなどを活用した詳細な形態の観察,より詳細なファウナ情報の蓄積,DNAバーコード情報に基づく種間関係の解明,分布情報や環境データを用いた分布予測など,質的な側面でも研究を行なう上での大きな変化が生じています.
このシンポジウムでは,それらの多様な生物多様性情報に焦点をあて,実際に研究で活用されている演者の方をお招きし,どんなことがわかる・できるのかの情報共有を行う場にしたいと考えています.このシンポジウムを通じて,参加者の皆様が普段行っている甲虫の研究で「これは使ったら面白そう!」と思っていただけるような場とできればと思っております.
...自然史系博物館資料のデジタルアーカイブ化と公開
第43回自然史標本データ整備事業による標本情報の発信に関する研究会
サイエンスミュージアムネット(S-Net)は、自然史系博物館をはじめとする全国の参加機関が所有する標本のデータをつないで公開する役割を担っています。皆様から提供いただいたデータは、S-Netポータルウェブサイトや、連携しているGBIF・ジャパンサーチなどのさらに大きなデータベースを通じて公開されています。一方、博物館法では、その一部を改正する法律が令和5年4月1日に施行され、博物館資料に係る電磁的記録を作成(デジタルアーカイブ化)して公開することなどが追加されました。これには、デジタル技術を活用した博物館資料のデジタルアーカイブの構築・管理およびインターネットを通じた公開が含まれています。
そこで、今回の研究会では、そのような情勢の変化を踏まえ、博物館資料のデジタルアーカイブ化とその公開をテーマとして取り上げ、実践例や博物館の対応について話題提供いたします。今回の会合を通じて、自然史系博物館からのデジタルアーカイブの発信やS-Netの今後のあり方について考える機会にしたいと思います。
...GIS を用いた標本の地理情報の活用
第42回自然史標本データ整備事業による標本情報の発信に関する研究会
サイエンスミュージアムネット(S-Net)では、参加機関の皆様から提供いただいたデータをS-NetやGBIF、ジャパンサーチ等を通じて公開しています。現在公開されているデータは730万件を突破し、どのような標本がどの博物館にあるかを調べるだけではなく、標本データに付随する採集日時や採集地の情報は学術研究や生物多様性保全等にも活用されています。
標本データを活用する際には、分布図のように、それを理解しやすい形で視覚化することが大きな助けになります。そこで今回は、標本データがもつ地理情報のさらなる活用を目的とした研究会を実習形式で実施いたします。具体的には、GBIFデータをダウンロードして、フリーの地理情報ソフトであるQGISを使用して地図上にデータを表示し、分布図を作成する方法を学びます。シンプルな白地図の背景、地理院地図や標高データの背景、さらには植生図との重ね合わせ方について、実習形式で学びます。地理情報システムの基礎的な知識と技術について、はじめての方でも美しい地図を作成することが可能となります。さらに、これらのスキルは論文や展示など、様々な場面で活用することができます。
本研究会は、新型コロナウイルス感染症流行後初の対面方式での開催となります。感染対策に留意しつつ、参加者の皆様同士で積極的な情報交換ができる場にしたいと考えております。
今、必要とされている生物多様性観測
21世紀の生物多様性研究ワークショップ(2023年度/通算第18回)
ワークショップの趣旨
21世紀の生物多様性ワークショップ(通称GBIFワークショップ)も18回目となり、今回は、生物多様性観測をテーマにすることにいたしました。生態系の恩恵を持続的に享受できる社会を築くためには、生物多様性の状態を適切に観測することが第一に必要です。その上で、GBIFに代表されるように観測データに関する情報基盤を整備し、データを解析・評価することによって、地域の活動に貢献し、生物多様性の損失を回復に転じさせる「ネイチャーポジティブ」を実現することが求められています。日本の生物多様性観測は、公的な機関だけでなく、個別の研究者、自然愛好者団体、個人など、さまざまな主体によって行われており、観測の持続性の確保や主体間の連携が必要とされています。今回は、さまざまな生物多様性の観測とデータ活用について紹介し、生物多様性観測の継続と発展に向けた議論を行う場にしたいと考えております。
...博物館や自然史標本データベースを取り巻く状況の変化
第41回自然史標本データ整備事業による標本情報の発信に関する研究会
標本データ準備と公開のためのノウハウ集
第40回自然史標本データ整備事業による標本情報の発信に関する研究会
概要
2月18日に、第40回自然史標本データ整備事業による標本情報の発信に関する研究会を開催します。 多くの皆様のご参加をお待ち致しております。
...生物の種名目録を作り共有する
21世紀の生物多様性研究ワークショップ(2022年度/通算第17回)
ワークショップの趣旨
21世紀の生物多様性ワークショップ(通称GBIFワークショップ)も17回目となり、 今回は、生物の種名目録の作成とその共有をテーマにすることにいたしました。 種名目録、すなわちある国や地域から記録された生物種のリストは、 生物多様性を理解するために最も基礎的かつ重要な情報の一つです。 国内の生物の種名は、生物分類学関連の学会や研究者等により、様々な形でまとめられ、 目録として公開化されています。 一方、日本ではこれらを一元的に検索・活用できるような仕組みづくりはこれからという状況です。 そこで今回は、種名目録はどのような研究をもとにどうやって作られどう共有されているのか、 現状から課題や期待まで、それぞれの立場から話題提供をいただき、 GBIFを含めた国際的な種名データベースとの連携も視野に、 日本における種名データ整備の方向性について議論する場にしたいと考えております。
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